2009 5/17開催 B-ROCL(BASIC ROCK)

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「今回のコースは、ハッキリ言ってスゴイです。『ダメだ』と思ったら、無理しないで止めてもらって結構です。お金も返しますよ」。開会式で主催者がこうコメントした。国内選りすぐりのエクストリーマーを前にして、だ。その言葉のとおり、コースは前例がないほどハードな出来映えとなっていた……。しかも、当日の天気予報では本州すべてに雨マーク。受け付けの段階では晴れ間も見えていたが、ウエットという極悪(極上!?)条件は免れない状況だった。
 この無謀とも思える戦いに挑むのは、タイヤサイズが35インチ未満のクラス(ストック)で5チーム、35インチ以上のクラス(ストックオーバー35)で15チーム、改造無制限クラス(スーパーモディファイ)で6チーム、合計26チームの輩たちだ。彼らを待ち受けるセクションは1クラス3つずつで、4カ所に設置されていた。1セクと3セクはアンダー&オーバー35のみ用。だがクラスによりルートは大幅に変更されることになる。2セクは改造無制限クラスのみ。そしてコンクリートセクションをアンダー&オーバー35は1カ所、改造無制限は2カ所走ることになる。1つのセクションにはパイロンゲートが2カ所に設けられ、そのゲートを通過すると高得点を得られる……のだが、そこは勝者を振り分ける魔物が潜む場所でもある。さて、この非日常的な世界を一目見ようと、ギャラリーも多くやってきた。ドキドキ・大興奮するゲームの始まりだ!!
 まず1セクはアンダー35から。スタート直後のパイロンゲートは大岩をV字でまたぐルート。ここを一番手の井上・塩川組、二番手の石谷・馬渕組が右に寄せて侵入した。しかしハラ下、左前、右をロックに囲まれ、倒立体勢のまま動けない。結局そこで10分の制限時間を使い果たしてしまった。この悪いムードを払拭したのが、三番手の三浦・吉川組。侵入を右からではなく真っ直ぐに下ったのだ。これがビンゴで、直立体勢になりながらも1つ目のゲートを無理なくパスする。次の右前方にある2つ目のゲートも確実に獲得し、ここのセクションを満点でクリアした。
 その頃2セクでは、ギャラリーも盛り上がるスーパーモディファイが、ミラクルなコースを攻めていた。ルートにはロケットの発射台を連想させる上りがあり、ここで喝采を浴びたのが3組目、九州からエントリーの中島・中島組。誰も通過できないのでは……、そんなことを思わせた壁のような上りだったが、慎重にラインを選び、何度目かのチャレンジでポンポンと登ってしまった。そして初ゴールを獲得。このプレイに、ギャラリーからは大歓声と拍手が贈られた。
 奥の3セクでは、スタートしてすぐに行く手を阻むV字の大岩がクセ者だった。現に、多くのエントラントがこのV字にやられていた。ここで見せてくれたのが、オーバー35の常勝チームの足原・津田組だった。ポインターの優れた眼力とドライバーの適切なドライビングテクニックでV字&1つ目のゲートを難なくクリア。2つ目のゲートも危なげなくバスし、今戦唯一の高得点をマークする。
 これを追うのが、エクストリーム常連の成瀬・伊藤組。彼らは3セクで駆動系を破損。しかし修正が無事に間に合い、1セクをアタックした。ここで勝負に出た。10分でゲートを2つ獲得するのは困難と判断し、狙いを2つ目に絞って確実にポイントを稼ぐ作戦に出たのだ。この判断が功を成し、トップとの差を縮める。
 この勝負を決定づけたのは、最後のコンクリートセクションだった。足原・津田組は2つ目のゲートクリアを目前にしてフロントデフが悲鳴を上げ、痛恨のリタイア。成瀬・伊藤組はゲートを1つ獲得、しかもゴールを決める。この僅かな数メートルが5ポイントの差を生み、成瀬・伊藤組が初めてクラストップを勝ち取ったのだ。
 いよいよオーラスは、スーパーモディファイクラスのコンクリートセクション2つ。暫定で中島・中島組がトップだが勝敗はまだ分からない。注目株、坂口・小野田組は、上り、キャンバーなどをクローリングで余裕の通過した。だが最後の気絶しそうなほどの下りを、かなりのスピードでダウン。着地はビックリのフロント2輪のみ。危うくバック転かと思わせたが、そこはエクストリーマー。モンスターを手堅く操り転倒は免れた。が、この見せ場で痛恨のゲートタッチ。DNFとなってしまった。すると元気を増した津田・和泉組。今年、アメリカで開催されるウイロックにエントリーするこのコンビがやってくれた。ありえないほどのストローク量でタイヤを路面に食いつかせ、モンスターを前進させる。恐怖の下りも無事にクリアしゴールを決めた。2セクの結果を見事覆し、勝者の称号を手に入れた。
 昼前から降り出した雨は路面を激しく濡らし、会場全体を困惑させることとなったエクストリーム2009 ROUND1。そんな条件の中でさえ、弱音を吐く選手はいなかった。悪条件も無理難題のセクションも「すべてひっくるめてエクストリーム」と納得させられる。このおかしな世界は、今後もっと多くの4駆ファンを魅了し続けていくのだろう。
 なお、この模様を見に、今回はアメリカから特別ゲストが訪れていた。まずはRPフィルムズという有名ビデオメーカーのショーンさん。彼は今戦の模様のカメラに納めた。この内容はDVD化され、早ければ秋の ROUND2に、遅くとも2010のROUND1には見ることができそうだ。さらにグアムのオフロードレースの主催者、コーリーさん夫妻も訪れ、日本の最高峰のクロカン競技を視察した。アメリカからやってきて日本で育てたロッククローリングが、今や世界も注目するほどになっていたのだ。
(Text:田尻朋美,Photo:内田隆之)

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